なんとなくの裁量で、
 屋上へと上ってみる2人。

エッジ「今日は天気がいいから、きっと
    気持ちがいいだろうな〜♪」

ブレット「そうだな、風もあまりないしな…」

 屋上へと続くドアを開ける。
 と、一人の少女が陽だまりの中に寝転んでいた。

エッジ「クレモンティーヌちゃん?」

クレモンティーヌ「ん? …なんだ、あんたたちか。Jambo」

エッジ「なにやってんの、こんなとこで?」

クレモンティーヌ「見たらわかるだろ? 昼寝だよ」

ブレット「わざわざ、こんなところでか?」

クレモンティーヌ「確かに、ちょっと地面は硬いけどさ。
          太陽の光とか、風とか、空とか、気持ちいいんだ」


エッジ「いいねぇ♪」

クレモンティーヌ「あたしたちは、どうしても日本のこまごましたのって
          苦手なんだ。ここはすごく気持ちがいい」


ブレット「なるほどな。確かに、気持ちいい」

クレモンティーヌ「だろ? ここ、うちのチームのメンバーは
           みんなおきにいりだよ」


エッジ「(ここを「お気に入り」指定してるキャラってどのくらい
     いるんだろうな…?)」


 …ざっと50人くらい

ブレット「ところで、今日は一人なのか?」

クレモンティーヌ「うん。コーチとリーダーは多分練習」

エッジ「行かなくていいワケ?」


クレモンティーヌ「自由参加なんだ。あたしたちの練習時間じゃ
          なくて、自由練習時間だから。あたしは、今日は
          図書委員の集まりがあったからこっちを優先したんだよ」


ブレット「…新刊入れはもう終わったのか?」

クレモンティーヌ「ついさっきね。
           だから、あたしがここへ来たのもついさっきさ」

エッジ「なんか面白そうな本とか入った?」

クレモンティーヌ「…アンタ、本とか読むの?」

エッジ「失礼だなぁ、俺、これでも結構読書家なんだよ?」

クレモンティーヌ「ふぅーん…」

エッジ「あっ、疑ってる? ヒドイなぁ…」

ブレット「普段の行いが行いだからな」

エッジ「リーダーまでそういうこと言う?」

クレモンティーヌ「…アンタのオススメの本とか、なんなのさ?」

エッジ「えっと…『新しい単位』とか?」

ブレット「……………」

エッジ「だ、駄目?」

クレモンティーヌ「…なにそれ」

エッジ「ゴージャスさとか、プロっぽさとかの単位を紹介していくんだけど」

クレモンティーヌ「…面白いの?」

エッジ「マジ面白いよン☆」

クレモンティーヌ「…ふーん…」

エッジ「あとは、『へぇ〜の本』もオススメです」

クレモンティーヌ「………」

ブレット「お前が奨められるのは、バラエティ関係の本ばかりなのか?」

エッジ「専門的なので面白かったのは、『宇宙論の新次元』かなぁ?」

ブレット「レポート課題のために読まされたような題名だな」

エッジ「アハ、わっかるぅ?」

ブレット「バレバレだ」

エッジ「量子ホール効果と超伝導の関係についてのレポートって、
    小学5年生に求めていい内容じゃないと思うんだよねー」


ブレット「NASAの特待生としてのプライドを持つんだな」

エッジ「へいへい」

クレモンティーヌ「…………」

エッジ「ん? クレモンティーヌちゃん、どうしたの?」

クレモンティーヌ「…アンタ、ホントは頭いいんだな…。
           何言ってるのかさっぱりだったよ」


エッジ「ちょっとは見直した?」

クレモンティーヌ「うん…」

ブレット「まぁそれはそれとして、クレモンティーヌ。
     こいつと何かを交換しないか?」


 ブレットはなべつかみを取り出して見せた。

クレモンティーヌ「あ、あたしそれと同じの持ってる

エッジ「………え?」

 クレモンティーヌが取り出したのは、確かに、
 同じ柄、同じ色、同じサイズのなべつかみだった。

エッジ「…何故?」

クレモンティーヌ「偶然ってあるもんなんだねぇ」


ブレット「…そうだな」

クレモンティーヌ「で、なんだって?」

ブレット「いや…いい」

エッジ「どうするのさ、リーダー?」

ブレット「同じものが交換候補になった場合…
     どうすればいいんだろうな?」


クレモンティーヌ「…なぁ、よかったら、それあたしにくれない?」

ブレット「…こいつをか?」

クレモンティーヌ「リーダーに「手袋だよ」って言ったら喜ぶかもしれない」

エッジ「……;;; それってさ…」

クレモンティーヌ「うちのリーダー世間知らずだから」

ブレット「……いいだろう」

エッジ「いいのッ??!」

ブレット「おもしろい偶然を見せてもらったから、お礼に」

エッジ「マジデスカ…」

 ブレットクレモンティーヌなべつかみをわたした!

クレモンティーヌ「Asante!」

ブレット「気にするな」

エッジ「(ジュリアナちゃんも可哀想だな…)」

ブレット「帰るぞ、エッジ」

エッジ「へいへい」

クレモンティーヌ「じゃ、またサーキットで!」

ブレット「ああ」


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