FOX1の後ろについて、1階にあるロシアチームルームへと
砂糖とお茶請けのクッキーを運んできたブレット。
…と、なにももたずにのんびり歩いているエッジ。
ブレット「エッジ、ドアを開けてやれ」
エッジ「はいはい」
ロシアチームのドアを開ける。
FOX2「お帰りー…って、お客さん付き?」
FOX1「お茶の用意を運ぶの、手伝ってもらったんだ」
FOX2「へぇ」
エッジ「…………」
FOX2「…………何」
エッジ「…………アントン?」
FOX2「…アレクセイだよ」
エッジ「またまたおっしぃーーー!!!」
FOX2「………」
ブレット「…すまないな」
FOX2「…いいよ、別に…」
FOX1「そんなことより、アレクセイ、お茶の準備を」
FOX2「あ、そうだった。もうすぐリーダーが帰ってくる時間だもんね」
エッジ「…愛されてるねぇそっちのリーダー」
ブレット「…………」
FOX1「リーダーを敬愛するのは当然だろう?」
FOX2「そっちは、違うのか?」
エッジ「…どーでしょーねぇ」
ブレット「…………」
FOX1「ミニ四駆においても、人格においても、
リーダーはチーム全員の憧れ」
FOX2「…じゃないの?」
エッジ「ミニ四駆の実力はさておいても、
人格の上で俺、ブレットに憧れてはいけない気がする。
…時々ね」
ブレット「そうなのか…?」
エッジ「いろいろとね。ツメ甘かったり、ファッションセンス無かったりね」
ブレット「…………」
FOX2「まぁ、うちのリーダーくらい完璧な人ってなかなかいない
だろうからね」
エッジ「ハイハイ…」
ブレット「……ところで、アレクセイ。こいつと…」
ブレットはポケットから、さっき貰った銀のエンゼルを
取り出して見せた。
FOX2「あ〜〜〜っ、銀のエンゼルだっ!!」
ブレット「…セルゲイからもらったんだが…」
FOX2「えぇ?! セルゲイ、なんで先に俺にいらないか聞いてくれないんだよ!
ねぇ、それ、くれない? それで4枚集まるんだ」
FOX1「あぁ…そういえば、アレクセイは集めてたっけ…」
エッジ「5枚目じゃないところが何と言うか、らしいと言うか…」
ブレット「別に構わないが…こいつは何かと交換でなければ渡せないんだ」
FOX2「何かっ!? …って言われても、何も持ってないんだけど…」
FOX1「何も持ってないのか?」
FOX2「まさしく何も」
FOX1「それはそれで珍しいな…」
ブレット「どうするんだ?」
FOX2「う゛〜〜…;;;」
FOX1「………うちのチームのお茶を飲んで行け」
エッジ「へっ?」
FOX1「本格ロシアンティーをご馳走しよう。それでは駄目か?」
エッジ「それじゃ…駄目なんじゃない? 「ワラシベチョウジャ」にならないじゃん」
FOX1「ワラシベチョウジャ?」
FOX2「…何それ?」
ブレット「……まぁ、いい」
エッジ「いいのっ?!」
ブレット「本場のロシアンティーというのにも興味があるしな」
FOX1「それは良かった」
FOX2「ううぅ、ありがとうセルゲイ〜〜〜vv」
FOX1「いや、もともと俺が、お前に銀のエンゼルいるかって聞かなかったのが
悪いんだしな。お茶は、リーダーが帰ってくる前にまた淹れなおせばいい」
ブレット「じゃあ、こいつはアレクセイに」
ブレットはFOX2に銀のエンゼルを渡した!
FOX2「Спасибо〜〜〜〜vvv」
エッジ「(でも…5枚集まる前に日本退去なんだろうな…)」
FOX1「日本人の考えてるロシアンティーと、
我々の飲むそれとはだいぶん違うんだ…」
ブレット「そうなのか?」
FOX1「さっき、砂糖を探してた時に感じなかったか?
ジャムを紅茶に入れて飲むなら、砂糖は必要ない」
エッジ「そういえば」
FOX2「俺たちは、紅茶に添えたジャムとか蜂蜜を、
舐めながら紅茶を飲むんだよ」
エッジ「そーなんだ」
ブレット「そいつは興味深いな…」
FOX1「我らの祖国は寒いからな。
暖かい紅茶をたっぷり注いで飲む」
エッジ「なるほどね♪」
FOX2「ゆっくり味わって行ってよ」
ブレット「そうさせてもらおうか…」
→WGP宿舎アメリカチームルーム