談話室では、まったく同じ顔の二人が…なにやら騒いでいた。

?「あー!ブレットだ」

?「あー!エッジだ」

エッジ「Hello、ポンちゃん。どうかした?」

?「うん、リーチが怪我しちゃって」

?「リーチってば不注意なんだもん」

?「ウノで足首切るなんてねー」

?「ねー」


ブレット「…ちょっと、待て」

?「なぁに?」

?「なにー?」

ブレット「怪我をしたのはどっちだ?」

?&?「リーチだよ」

ブレット「だから、それはどっちだ?」

?「…どっちだと思う?」

エッジ「はははは。いつもながら難しいな!」

ブレット「わかるのか、エッジ?」

エッジ「んー確証があるわけじゃないんだけどさ」

?「この前みたいに抱きついたら、袋叩きだよ?」

?「半殺しだよー?」

ブレット「…エッジ…」

エッジ「やだなリーダー、出来心だって」

ブレット「参考程度に聞いておくが…当たったのか?」

エッジ「……外れた……」

ブレット「……」

 ぽん、とエッジの肩を叩くブレット。
 なんとなく心中察したらしい。

ブレット「…そうだ、エッジ。折角二人いることだし、こうしよう。別の方を指名する」

エッジ「なるほど、さすがはリーダー…!名案だぜ!」

ブレット「まぁな」

 ブレットは、外れた方を見舞うであろう不幸のことには欠片も触れなかった。

ブレット「先にお前に選ばせてやる。どっちだ?」

エッジ「んー…右だな!」

ブレット「じゃあ俺は左か」

?「相談、まとまった?」

ブレット「ああ」

?「じゃあ…どーっちだ?」

エッジ「こっちがポンちゃん!」

ブレット「リーチはこっちだ」


………


ブレットエッジ「……え…?」

リーチ「ブッブーーー!!!二人ともハッズレーーーー!!!」

ポン「駄目だなぁ、二人とも」

ブレット「おぃエッジ、どういうつもりだ!」

エッジ「あっれ〜〜〜? ポンちゃんを当てるんじゃなかったっけ…?」

ブレット「逆だ!」

ポン「二人とも、バツゲームだねッ!」

リーチ「死の百曲中華料理メドレーだね!」

エッジ「(……?)」

ブレット「いや…待ってくれ」

ポン「なに?命乞い?」

エッジ「命ご…?!」

ブレット「まぁそんなところだ。リーチは怪我をしているんだろう?
     ほら、こいつをやるから見逃してくれないか?」


 ポケットから絆創膏を取り出すブレット。
 命には代えられない。

リーチ「えー?」

ポン「……いいよ」

リーチ「ポン! どうして?! こんな面白い人たちなかなか捕まらないよ?!」

ポン「判ってるけど、ボクはリーチの方が心配」

リーチ「…ポン…」

ブレット「商談成立か?」

ポン「うん」

 ブレットポン絆創膏を渡した!

リーチ「ポン、こっちは?」

 エッジを示すリーチ。

ポン「…死の百曲中華…」

 さぁっとエッジの顔から血の気が引く。

ブレット「……そいつも許してやってくれないか…?」

ポン「ぅえ〜つまんなーい」

リーチ「久しぶりに犠牲者が出るかなーとおもったのにー」

ブレット「……許してやってくれないか…」

ポン「ぶぅう〜〜〜…。そのかわり、今度ボクらに何か奢ってよねー」

リーチ「それか、何かゲームに付き合ってよねー」

ブレット「OKOK。何でもしてやる」

ポンリーチ「商談、成立☆」




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