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…雨、まだ降ってますか?


…ああ、降ってる。


いつまで、降るんでしょうね。


気が済むまでだろう。

…なんだ。


いいえ、ただ、面白いなぁって思って。


…何が。


あなたのその言い回し。


そんなに笑えるほどのものじゃないだろう。


そうかも知れませんけれど。


…何を考えている?


…なんにも。


嘘だな。


嘘じゃないですよ。

…本当はね、羨ましいなって、思うんですよ。


…何が。


…あなたが。


私が?


そう、あなたが。

他の誰でもない、あなたが羨ましい。


どうして。


あなたのことを、一番よく知っているから。


…くだらない。

…また笑うのか。


だって、あなたの反応があまりにも。


お前の想像通りだったか?


……ええ。


…笑いすぎだ。


…すみません…。


…ほらな、私じゃない。


…え?


私のことを一番よく知っているのは私じゃない。

…お前だよ。


そう、ですか?


そうだ、そして一番知らないのは私だ。


…そんなこと、ないでしょう?


あるさ、自分が一番判らないのは、自分だ。

今どんな顔をしているのか。


…とても真面目な、僕の好きな顔をしています。


…何がしたいのか。


…とりあえず目下のところはよく理解している気がするんですけれど。


やはり私のこと、一番よく知っているのはお前じゃないか。


…かも、しれませんね。

でも、それなら。

あなたは僕のことを一番よく知ってくれているんでしょうか。


…判らない。

だけれど、誰よりもよく知っている自信はある。

…でも、同時にきっと、誰よりもお前のことを知らない。


なぜ?


だって私はお前の欠点を知らない。


いろいろと、知っているでしょう?

悲観的なこと、心配性なこと、…結局一人では何もできないこと。


その、すべてが。


…ん…?


…何もかもが愛おしく思えるから。

私を思い返すと、恋は盲目、なんてよく言ったものだと思う。


それなら。


ん?


それならきっと、僕もあなたのことを何にも知らないのと同じ。


…しかたないよな?


ええ、しかたありません。





だって、こんなに、こんなに。

好きなのだから。





…それでも、少しくらい知る努力はしてみようか。


………結局それが狙いですか?


あ、いたたた。

…何もつねることないだろう…。


拗ねないで下さい。

…自業自得でしょう?

……あの…?

!!


引っかかったな。


ちょっ…、何をする気ですか!


別に構わないと思うが。

…どうせ、やることもないんだろう?


…そうっ…ですけどっ…。


…な。


…んっ……。

………やっぱり。


何だ。


…やっぱり僕のことを一番よく知っているのは、きっとあなただ…。








行間を読む練習v(ヲイ)
5W1H(whoは判ってるって)想像ですね☆(死)
しかしオチてない気が…。
雰囲気や空気感としては好きなのですが。
いつか…!→リベンジを誓う。


モドル