烈の案内で、2人は三国コンツェルン総帥の邸宅にやってきた。

エッジ「ひゅー、さすがにでっかいねぇ」

烈「あいつ結構甘えん坊なところがあるから、
  藤吉君に泣きついたんじゃないかと思うんだよね」


 ずかずかと他人の家に不法侵入していく烈。
 ブレットとエッジは、烈と離れると射殺されるかもしれないので
 しっかりとその後についていく。

ブレット「見つかるといいがな…」

 と、突然3人の行く手に人影が。

烈「…彦佐さん?」

彦佐「これはこれは、烈様。
    どうされました、藤吉ぼっちゃまにご用事ですか、ハイ」

烈「ええ、まぁ。ちょっとお尋ねしますけど…豪がここへ来ませんでしたか?」

彦佐「いいえ、わたくしめは見ておりませんです、ハイ」

烈「そうですか…」

彦佐「こちらへどうぞでございますです、ハイ。
     すぐに藤吉ぼっちゃまを呼んでまいりますので、ハイ」

 応接室に案内される3人。
 真っ赤なふかふかのソファが心地よい。

エッジ「ぜーたくだねぇ」

ブレット「流石は日本でも屈指の財閥の
     総帥宅、というところか」


烈「豪のヤツ、見つけたら絶対とっちめてやる…」

藤吉「お待たせしてすまないでげすな」

 ドアを開けて、一匹のサル…違った、藤吉が入ってきた。

藤吉「おんやぁ、随分珍しいお客さんでげすな」

エッジ「悪いかよ?」

ブレット「エッジ。…すまないな、邪魔している」

藤吉「いやいや、記しにないでくれでげす。
    烈君。残念でげすが、豪君は来てないでげすよ」


烈「そっか…ここでもないか」

藤吉「力になれなくてすまないでげすな」

烈「いいんだ。気にしないで」

藤吉「良かったらわての藤吉シークレットサービススペシャルに
   探させるでげすよ?」


烈「野菜畑はキモイからいらない

藤吉「…そうでげすか」

 そのころベジタブスリーは、
 隠れていた物影で泣いていた。(聞こえてた)

ブレット「ここにいないとすると、
     あとはどこという可能性が考えられる?」


烈「そうだなぁ…あとは、相模模型店か風鈴川か…」

エッジ「じゃあ、その心当たりの場所に早く行こうぜ」

藤吉「もう行っちゃうでげすか?」

烈「うん。早く豪をみつけて、とっちめてやりたいからね」

藤吉「…長男というのは、つくづくたいへんでげすなぁ」

烈「ふふ、そうだね」

ブレット「そうだ、トウキチ・ミクニ。
     ここまで来たのも何かの縁だ、こいつと何かを交換しないか?」

 ポケットからレツゴートレーディングカード(TRFビクトリーズ)
 取り出して見せるブレット。

藤吉「わてらが写ってるでげす。格好いいでげすな♪」

エッジ「自分で言ってりゃ世話ないぜ」

藤吉「じゃあ、これでどうでげすか?」

 藤吉が取り出したのは、一本のビデオテープ

ブレット「…何巻だ?」

藤吉「聞いて驚けでげす、WGP10巻でげす!!」

エッジ「微ッ妙っ!!!」

藤吉「驚いたでげすか〜?」

エッジ「変なところにな…」

烈「あ〜その辺あんまり他人に見せたくないなぁ…」

エッジ「(どの辺りのエピソード収録してあるか覚えてるのか?!!)」

ブレット「まぁいい、交換しよう」

藤吉「気に入ってもらえて嬉しいでげす」

 二人がブツを交換しようとしたその時、
 突如として巻き起こった一陣の風が、二人の手から
 物品を奪い取った。

藤吉「にょぉお!! なにをするんでげすか!!!」

 さぁっと応接室から出て行く風を、藤吉は追いかけていく。

藤吉「待つでげすチイコ〜〜!!!」

エッジ「…チイコ? チイコ・ミクニなのか、あれ?」

烈「見えなかった?」

ブレット「ああ…全くな…」

烈「修行が足りないね」

エッジ「…なんの?」

烈「動体視力と状況判断能力

ブレット「………」

烈「馬鹿なことを言っている場合じゃないな。僕らも追いかけよう」


 →三国家庭