インターナショナルスクールの校庭から、
裏山へと回り込んだ2人。
裏山とは名ばかりの、雑木林だが。
エッジ「なぁリーダー、なんかいっつも聞いてる気もするけど、
こんなとこに誰かいんの?」
ブレット「さぁな」
エッジ「さぁなって…」
ブレット「何事も100%こうだと言い切れることなど
少ないからな。あえてこういうところに入らないと、
会えないキャラもいるかもしれないだろう?」
エッジ「そうかもしれないけど…って、うわっ!?」
突然、エッジがコケた。
エッジ「な、なんなんだよっ!?」
ブレット「…こいつが原因のようだな」
草が、足が引っかかるように結んである。
エッジ「誰だよこんなガキっぽいイタズラ…!!」
ブレット「イージートラップだな」
エッジ「…なんだよ、その「引っかかった方が悪い」みたいな
言い方」
ブレット「お前は注意力散漫なんだ、だから引っかかる」
エッジ「…ちぇ。キビシイねぇリーダー」
ブレット「ハハハハ。本当のことだからな」
歩きだしたブレットに、エッジは慌てて追いすがる。
やがて、少し開けた場所に出た。
そんなに広くない裏山の中なのでたいしたスペースではないが、
その限られたスペース一杯に……魔法陣のような物が。
エッジ「………ナニコレ」
ナン「誰かいるの?」
ブレット「ナン・シメイ?」
ナン「やあ、ブレットにエッジ」
エッジ「なぁ、ナニコレ?」
ナン「どうしたの、こんなところで?」
ブレット「いや、なんというか、野生の感というか」
ナン「あははは。すごいね」
エッジ「………俺たちのチーム名とか書いてあるんですけど…」
エッジは、魔法陣の中にアスレン、アイゼン、ロッソ、TRF、フォックスの
チーム名を発見していた。
ナン「ああ、それ。それ、呪い」
ブレット「…まじない?」
ナン「の ろ い」
エッジ「…やっぱり?」
ブレット「ホワァンが来てからの驚異的な追い上げの裏には、
やはりこういうものがあったのか…!!」
ナン「3不戦勝は痛かったからね。でも、別に悪いことしてる
わけじゃないでしょ?」
エッジ「そりゃ、ロッソのやり方よりはマシかもしれないけど…;;」
ブレット「微妙なところだな」
ある意味、もっと性質(たち)が悪い。
ナン「…黙っててくれるよね?」
エッジ「…え…?」
ナン「黙っててくれないのなら、僕はここで君たちを
始末しなければいけないことになるよ?」
ブレット「簡単に始末される訳にはいかないな」
ナン「黙っててくれるなら、今度だけは見逃してあげる」
エッジ「…なんか…スゴク怖いんですけど」
ナン「迷ってるみたいだから、迷えないようにしてあげるね!」
エッジ「…ちょっ…;;」
突然中空に梵字のようなものを書き始めるナン。
ナン「僕の十八番、目立たなくなる呪い〜〜〜!!!」
エッジ「うわっ、それカンベン!!!」
…本気で効きそうだから。
ブレット「エッジ!」
ブレットは持っていたカモノハシのぬいぐるみを
エッジの前に放り投げた。
ナン「あっ!」
カモノハシのぬいぐるみに、呪い命中。
ぬいぐるみは哀れにも炭化した。
ナン「あ〜あ、生き物以外に当たっちゃったから…」
エッジ「…………;;;;;」
ブレット「…黙っていることを約束しよう」
ナン「本当? ありがとう」
ブレット「俺たちも、自分の出番は惜しいからな」
ナン「あははは。僕みたいにはなりたくないでしょ?」
エッジ「アハハハハハハ〜;;;;」
ブレット「エッジ、帰るぞ」
エッジ「は〜〜いはいはい!」
ナン「じゃあね〜! またレースで会おうね〜〜☆
………フフフ♪」
ぞくっ。
ブレット&エッジ「………;;;」
→WGP宿舎アメリカチームルーム