商店街の真ん中に、不自然にある鳥居。
そこを、とりあえずくぐってみる2人。
エッジ「シンジャブッカクとかいうんだっけ、こういうの」
ブレット「ああ。日本の神が奉ってあるんだ」
エッジ「GODか。でも、日本人ってそういうのあんまり信じてなさそうだぜ?」
ブレット「かもな。だが、伝統的なこういう建物には
興味をそそられる」
エッジ「まぁねー」
ブレット「…ぅん?」
エッジ「どうした? なにかあるのか?」
ブレット「いや…気配が…」
エッジ「ケハイ?」
ブレット「そこだっ!!」
びしっ! とブレットが指差した先は、立派な桜の木だった。
エッジ「な、なんだよ…ただの桜じゃ…?」
?「フフフ…よく見破ったキニ…」
エッジ「そ、その独特の方言は…っ!」
?「さっすがブレットゼヨ」
はらり、と桜の幹が剥がれる。
いや、剥がれたのは桜の幹の模様をプリントした布だ。
その下から出てきたのは……ウィリーだった。
ブレット「まさか、お前まで忍者の修行を受けていたとはな…」
ウィリー「せっかく日本まで来たんゼヨ、これを習得して帰らないともったいないキニ」
エッジ「ああぁ変人同士が邂逅しちゃったよ…」
ブレット「箸の使い方はもう完璧か?」
ウィリー「あったり前ゼヨ! 茹で上がったマロニーをも掴める完璧ぶりキニ」
ブレット「そいつはすごいな…」
エッジ「小豆とか魚じゃなくて??!」
ウィリー「何言ってるんゼヨ。茹で上がったマロニーは、ちょっと力を入れると切れるし
つるつるだしで、箸で摘むのは難しいんゼヨ」
ブレット「ああ」
エッジ「ふーーーん…」
ウィリー「で、箸は完璧だから、次は当然忍者ゼヨ!」
エッジ「当然なんだ…?」
ブレット「日本に来てマスターすべきといえば、日本語と箸使いと忍術。
それ以外にはないだろう!」
エッジ「なんか、外国人の間違った日本知識のカタマリ、みたいな…」
ウィリー「ニッポン、サムライ、ゲイシャ、フジヤマ〜☆」
エッジ「似合っ…!!!」
ウィリー「そんなに褒めなくていいゼヨ」
エッジ「褒めてないって…;;」
ウィリー「HAHAHA。最近こんな術も使えるようになったゼヨ!
火遁!!」
エッジ「っておいっ…!」
ウィリーの指先から炎が迸る!
ブレット「なんの、水団!!」
エッジ「それ小麦粉の団子だろッ;;;」
ブレット「漢字は難しいな」
エッジ「言ってる場合かよ…!」
炎が2人めがけて襲い来る。
ブレット「みみかき扇風拳!!!」
みみかきをぐるぐる回して炎をはじくブレット。
エッジ「(2人とも人間業じゃねぇし…;;;)」
ブレット「あちっ」
エッジ「あん?」
炎に負けて、灰になるみみかき。
ブレット「あーーーー…」
エッジ「あーーーーじゃないっての…。
当然だろ、細い竹なんだから」
ブレット「たこ焼きは残ったぞ」
エッジ「…プラスチックだから、なぁ…」
ウィリー「驚いたかゼヨ!? 炎が出せるようになったんゾナ!」
エッジ「驚いたよっ!!」
ウィリー「真面目な修行の成果キニ♪」
ブレット「負けてられないな…!」
エッジ「負けてていいからっ;;」
ブレット「しかし、みみかきが灰になってしまったからには
ゲームオーバーだな…」
エッジ「なら、さっさと帰ろうぜっ;;
(これ以上この二人一緒にいさせるとヤバイ気がする…;;)」
ブレット「…仕方がないな」
ウィリー「ムササビの術〜キニ!!」
エッジ「うわぁマジでっ??!;;;」
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