ピコの助言に従い、5−Aの前へとやってきた二人。

エッジ「五年かぁ。誰か可愛い子いるかな…♪」

ブレット「お前の頭の中にはそういうことしかないのか」

エッジ「失礼だな、リーダー。他のこともあるぜ?
    例えばどうやってレポートの内容誤魔化そうとか、
    どうやって実習サボろうとか、どうやって…」

 がらり。
 教室のドアが開いた。
 二人の視線が、出てきた人物に注がれて…固まる。
 教室から出てきたのは、フランケンシュタインだった。

エッジ「…見た物を見なかったふりしようとか…」

 くるりと回れ右するエッジ。
 ブレットは、逃げようとしたエッジの襟首を掴んだ。

ブレット「落ち着けエッジ。アレは仮面だ」

エッジ「…え?」

 もう一度振り返り、フランケンシュタインを見上げる。
 確かによく見れば、いかにも小学生くさい、画用紙とかダンボールとか、
 ビニールテープとかで作られた仮面だった。

エッジ「なんだ、ビビって損しちゃった」

ブレット「注意力が足りないからだ」

エッジ「それを言うなって♪」

 そのとき何を思ったか、
 フランケンシュタインがその仮面を脱いだ。

エッジ「…………」

ブレット「…………」

 二人は同時に回れ右した。

ゾーラ「…なんなんだよてめぇらは」

エッジ「いやっ、ちょっとなんていうの?
    用事を思い出しちゃったかなーなんて」


ブレット「いやまさか仮面を取った方が顔が凶悪だとはな」

エッジ「言っちゃったよこの人は!!!」

ゾーラ「…………」

エッジ「一応フォローしとくけど、…ブレットに悪気はないから」

ゾーラ「…それが一番気にくわねぇ」

エッジ「あ、やっぱり」

ブレット「なに、気にするな」

エッジ「あんたは気にするべきだろ!!?」

ゾーラ「……てめぇら、何しに来たんだよ…?
    俺に何か用か?」


ブレット「ああ、そうだったな。別に誰でもいいんだが、
     ここで会ったのも何かの縁だ。ゾーラ、こいつと何かを交換しないか?」


 ブレットは、ポケットから星の砂を取り出した。
 ゾーラはその瓶を見て、ちょっと顔を顰める。

ゾーラ「…なんだそりゃ?」

ブレット「星の砂だ」

ゾーラ「星の砂ァ? なんだそりゃ」

ブレット「星の形をした砂だ」

ゾーラ「星の形をした砂ァ? なんだそりゃ」

ブレット「与論島とかで取れる星の形をした…」

エッジ「もういいよ!!!!!

 制限なく続きそうだったブレットとゾーラの掛け合いを
 なんとか止めるエッジ。

ゾーラ「そいつが俺に、何か役に立つのか?」

ブレット「そいつは使い方次第だな」

ゾーラ「ふん…」

ブレット「しかしなかなか手に入らないレアアイテムだ!」

ゾーラ「そ…そうなのか?」

ブレット「ああ、そうだ」


ゾーラ「じゃ、じゃあ…」

エッジ「リーダー…」

ブレット「何だ、エッジ?」

エッジ「…なんでも…」

ゾーラ「こ、これでいいか?」

ブレット「ふむ…まぁいいだろう」

 ブレットゾーラなべつかみ星の砂を交換した!

エッジ「…なんでなべつかみ持ってんの…?」

ゾーラ「いつでもパスタが作れるように用具一式は
    持ってるぜ?」

エッジ「…すげぇな…
    (多分カルロとかに持たされてるんだろな…)」

ブレット「さて次の行き先は…」



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