「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………テメェなァ…」
「…………ごめんなさい…」
聞こえるか聞こえないかの声で、エーリッヒは謝罪の意を述べた。
俺のほうに向けられている背が、心なし小さく丸められている。
ちっ、と舌打ちをして、肩を掴んでこっちに体を向けさせる。
「テメェのせいで萎えちまっただろうが。
これ以上ヤッてほしいってんなら、責任とって勃たせろよ」
「…そのくらいなら、……します、けれど…」
俺はゆっくりと身体を起こすと、ベッドの上に両脚を開いて座った。
エーリッヒは身体を俺の脚の間に移動させると、頭を下げて俺のモノを口に含んだ。
「…っ」
生暖かい舌が、俺の欲望をそそり立てようと絡みつき、吸い上げて刺激してくる。
目を閉じ、俺を感じさせようとしているエーリッヒの顔は言いようもないほどに淫らで綺麗だった。
そして、同時に虐めてみたくなる表情をしていた。
「もっとちゃんと咥えろよ
俺はヤツの頭の後ろに手を添えて、グイ、と喉奥に届くくらいに深く咥えさせる。
「んぅっ…!」
苦しそうな呻きと、咽る音。はぁ、と息を吐いて、俺を睨み上げてくる青い瞳。
サディスティックに笑って、モンクあんのかよ? と聞いた。
何も言わずに、エーリッヒは作業を再開した。
俺が教えたとおりに、強弱をつけて吸い上げながら、裏側を丹念に舐める。
先端の括れを締め付けたり、割れ目に爪を立てたりしながら、俺が熱く大きくなって
いくのをダイレクトに感じている。
限界直前に、俺はエーリッヒの顔を無理矢理自身から離させた。
自身の先端から迸った白濁した液体が、エーリッヒの褐色の顔を汚す。
俺は呆れたように、溜息と一緒に言葉を吐き出した。
「あーあ。イかせちまってどうするワケ?
これじゃテメェに突っ込めねぇじゃねェかよ」
もう一回、だな?
心底楽しそうに言ってやると、エーリッヒは俺を憎憎しげに睨みながら。
エロ鬼畜、と呟いた。
ひでェ話だ。そもそも、俺を萎えさせたのはこいつの心無い一言なのだから、
責任を取ってもらうのが当然というヤツじゃねェのか?
…それを痛感しているからだろう、エーリッヒは俺の言うことに逆らわず、
再び俺自身を刺激し始めた。
本当は、刺激なんかなくても、エーリッヒの淫靡な姿態を見ているだけでも
十分俺は元気を取り戻すのだが。
そんなことは言ってやらねェ。ヤツが嫌がったり、恥らったりするのを見ることは、
何度もヤツとヤッた経験があるくせにそういう表情を見たことのない、
俺にとっては何よりも情欲を燃え上がらせる役に立つ。
俺が十分に硬くなったところで、今度はエーリッヒから顔を離した。
これでいいのか、という風に俺の表情を伺うエーリッヒを、
いきなりうつ伏せにベッドに押し付け、膝を立てさせて腰を突き出させる。
「…ヨクデキマシタ」
「ちょっ…!」
制止の声は聞かずに、十分濡れた俺の男性器をエーリッヒの秘孔に突き入れる。
「痛っ…!」
びくん、と跳ね上がる腰を押さえつけて、根元まで埋め込んだ。
何度も男と交わった経験があるせいか、こんな結合でもエーリッヒの秘部は裂けないで、
めいっぱいに広がって俺自身を飲み込んでいた。
「ちゃんと俺を勃たせることができたご褒美だ、ちゃんと受け取れよ」
最初から激しく腰を動かす。
エーリッヒから、高い声が上がった。
片方の手でエーリッヒの腰を支え、もう一方の手は前に回して、
一度も触っていないのに昂ぶっているエーリッヒの根元を締め付ける。
「あっ……あぁ、…ひぁ…ぁっ」
締め付けてくるエーリッヒの内部に、俺は2度目の精を解き放った。
だが、それで終わるつもりも、エーリッヒを解放させてやる気もない。
ピストン運動を繰り返し、俺は自分の若い体に3度目の熱を持たせた。
エーリッヒから、掠れた声で許して、と聞こえたが、構わない。
そう、これはささやかな、俺の意趣返しでもあった。
正直、俺はエーリッヒにムカついていたからだ。
なぜなら、俺はヤツにこれでもかというほどに傷つけられたから。
いや、過去のことには拘らないのだが。
エーリッヒの告白を聞いた後、俺は耐えられなくてヤツをベッドに押し倒した。
大人しく俺のキスを受け、愛撫に反応していくエーリッヒに俺も煽られてきた頃。
あいつは、事もあろうに俺がもっとも敵対視する親友様の名を呼びやがった。
ヤツは慌てて口を噤んだが、時すでに遅しとかいうやつで。
俺はすっかりヤる気を殺がれて、そのままベッドに寝転がった。
気まずいとでも思ったのか、あいつも俺に背を向けてシーツを被って、
かくして気まずい沈黙の中で数分を過ごすこととなったのだった。
「…今テメェを抱いてるのが誰だか、しっかり覚えやがれ…!」
次の次の日くらいに、そういう目的だったなら正常位だった方が良かったんじゃないかと
思ったが、この時はヤりたいようにヤッたからそんなことには露気づかず。
一晩中、俺はエーリッヒを背後から攻めたてて啼かせてやった。
だが、一晩ずっとヤり続けることができたってのも、あるいは俺たちにとって進歩だったのかもしれない。
莫迦な考え方ではあるけれども。
→続く。
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